今回は6月の初めに開催された第84回のセミナーレポートになります。
今回の講師は管理栄養士の佐藤彩香さんです。
佐藤さんのTwitterアカウントはこちら@aya02v
SpolinkJAPANで作成したマニュアルを使っていきながら講義をしていただきました。
ぜひみなさんダウンロードしてください!
栄養実践ガイドの使い方!
セミナーの冒頭では栄養ガイドの解説をしていただきました。
「栄養実践ガイドではまず育成年代のアスリートで
食事に関心が向く前の年代であっても絶対に知ってほしいことをガイドに載せています。」
とのことでシンプルでわかりやすいものになっています。
1枚目では練習前後の補食について
練習前には「水分」と「タンパク質」を摂ること!
佐藤さんの感覚として
「ジュニアの世代は水分を練習前に摂れていないことが多いように感じる」とのことでした。
なるべく水分をこまめに摂り、そこに加えて運動の原動力になる炭水化物を摂ることを伝えて欲しいそうです。
運動後は炭水化物と水分に加えて「タンパク質」を摂ることが大切!
運動で傷ついた体を回復させるために「タンパク質」を摂ることが大切になります。
朝早い集合などでなかなか水分を摂れていないということも現場で感じるそうですし、育成年代は脱水気味というデータもあるそうです。
なのでまずは運動前から水分をしっかり摂って欲しいということでした。
2枚目の画像ではどんな物を選択したらいいのか?
という部分をイラストでわかりやすいようにまとめています。
運動前には「脂質」が多いものは消化吸収が遅くなるので避けること
運動後には炭水化物と一緒に「タンパク質」を摂ること菓子パンは油が多いので避けること、
そのほかの組み合わせの例を挙げています。
練習前後に何を選んだらいいのか?迷った時に参考になるように具体的になっています。
練習後に何を食べたらいいかわからなくなった場合はこの画像をスマホに入れておくのも良さそうですよね!
3枚目は「クイズ形式で何を選んだらいいのか?」をイメージしやすいように工夫したとのことです。
指導者の方や保護者の方は選手と一緒に考えてみてください!
具体的に知っておきたいこと(練習中・試合中・試合後)
講義のメインは栄養について具体的に知っておきたいことをテーマに進んでいきました。
普段の練習や試合の強度(キツさ)が上がれば上がるほど胃の負担感などが大きくなり、
食道や腸の運動が減少してしまうので運動の前後で負担のかからない食事内容を注意する必要があるとのことで
具体的にどのようにしたらいいのか?ということを話していただきました。
セミナーでは5つのテーマに分けて解説していきました。
①試合(練習)の前の栄養補給
②試合中(練習中)の栄養補給
③試合間の栄養補給
④運動後の栄養補給
⑤水分補給
まず、試合前には栄養実践ガイドにもあるように油物を避けたり、固形物は試合の2〜3時間前には控えるなどの工夫をすることが
試合でパフォーマンスを発揮するために必要ということでした。
試合の直前には飲料や液体の食品を摂るといいとのことです。
またトレーニング期に運動中に飲食をする練習を重ねることで、試合中に飲食することに慣れていくことが大切になるということです。
具体的な試合前のエネルギー補給(糖質補給)は1〜4時間前に「1〜4g/kg体重」
を目安にして自分のベストタイミングや量を探っていくといいとのことでした。
またエネルギーになりやすいからといってGI値が高いもの(ゼリー飲料など)を試合直前だと
低血糖が起こるリスクがあるので運動開始30分前までに摂取する方がいいそうです。
糖質の補給の考え方としては
45分未満の運動の場合は途中補給必要はなく、1〜2.5時間の持久的運動の場合は30〜60g/時間、
2.5〜3時間以上の運動の場合は90g/時間など運動時間によって補給するべき糖質の量を教えてもらいました。
スポーツドリンクで例えたイメージ図を見せていただけましたが、
ポカリスエット1本飲み切ってやっと糖質30gを摂取したことになり、1〜2.5時間ほどの運動をする場合は
1時間で1本飲まないといけないということになります。
ファシリテーターの奥村さんと「なかなかこの量を飲めている人は少ないのではないか?」という話にもなっていました。
試合でいきなりこの量を摂取してエネルギーに変えることは難しいということで、普段の練習から必要な量の糖質を消化して
エネルギーに変えていけるようにしていくことが必要になるということでした。
また糖質ゼリーの食べ方の方法として
佐藤さんが指導している選手が体感がいいと感じるのが噛んで食べることだそうです。
ゼリー食べるのが苦手だという人はしっかり噛んで食べてみてください。
運動後にはよく言われる練習後のゴールデンタイム内の栄養摂取が推奨されることがありますが、
素早くリカバリーしないといけない場合を除いては練習や試合後にすぐ食事を取らないといけないということではないとのことで
無理して30分後に食事をする必要はないそうです。
リラックスした状態で食事をしっかり食べられる状況で食べると良いとのことでした。
水分補給に関しては尿の状態を知っておき運動前には正常な水分状態にしておくことが大切になるので
普段から自分の状態を確認できる方法の一つなのでチェックしておいてほしいとのことです。
また、水分補給は食事との同時摂取で吸収が高まる可能性があるらしいので
食事と同時で考えていくことが必要になるということです!
尿の色についてもマニュアルがあるのでこちらもご利用ください!
これからの時期は熱中症の予防としても必要になりますね。
講義の最後に
「ガイドライン通りにいかないことも多いので自分に合う食事方法を知ること
合わないものは捨てる勇気も必要になる」
とおっしゃっていました。
ベースを知って試してなるべく早く自分に合った方法を見つけていくことが大切ですね!
SNSでの感想
食べたら良いではなく、それを消化できるチカラが備わっているかも大切なこと。これは改めての気づき学びでした。
人は情報の大半を視覚から得ます。このマニュアルは視覚的アプローチがばっちり!!ぜひ活用して下さい(^ ^)https://t.co/X7SvYDuXa2#スポリンク栄養#スポーツナース https://t.co/sXGEIWe2Tj
— h.y.s.mai (@hysmai2) June 8, 2022
https://twitter.com/Kentaro_muraki/status/1534521142794670080?s=20&t=AM_e4QIqVtj5w3FslF6beQ
https://twitter.com/ptah1120/status/1534522032654028801?s=20&t=AM_e4QIqVtj5w3FslF6beQ
https://twitter.com/BlueKitano/status/1534522103277375489?s=20&t=AM_e4QIqVtj5w3FslF6beQ
編集後記
栄養は人間にとって切っても切り離せないもので
自分の限界に挑戦するアスリートなら尚更気になりますね。
参加者の方々も興味津々でたくさんの質問をしていました。
佐藤さんも細かく実践できるようにアドバイスを丁寧にしてくれました。
僕自身は現役の時に試合が朝早く食事が取れない、試合後にもご飯を食べられないということがありました。
試合後はたくさん栄養あるものを食べないとと無理して食べることもあったので
今回の講義は「現役の時に聴きたかったなー」と思いました。
次回のセミナーも楽しみです!