【第63回 Spolink & encounterセミナーレポート】エネルギー不足と三主徴~アスリートの抱えるリスク
こんにちは!
Spolink JAPANブログ班の理学療法士1年目の近凜太郎(理学療法士)です。
最近、天候が不安定で、季節の変わり目は体調管理が難しいと感じています。
選手だけでなく、自分自身の体も整えていくために、食事・睡眠・運動をきちんとしていこうと思っております。
セミナーレポート
今回で、ついに第63回となるSpolinkJAPANオンラインセミナー
テーマは、エネルギー不足と三主徴~アスリートの抱えるリスク
講師は、産婦人科医の鮫島梓先生
ファシリテーターは奥村正樹さんが勤めてくれました。
女性アスリートの抱えるリスクとして挙げられる三主徴
女性アスリートサポートしていく上で、知っておく必要のある講義です。
三主徴とは?
三主徴とは
無月経・骨粗鬆症・Low energy available
この3つは密接に関係しています。
まず、無月経について教えてくださいました。
無月経について
無月経の多い年代として中高生に多く、平均年齢は12.9歳なります。
無月経になりやすいスポーツとして、長距離スポーツや、体操など審美系のスポーツに多いそうです。
また、無月経の状態では骨密度は低下しており、その影響により、骨粗鬆症や疲労骨折になりやすくなるのです。
他にも、無月経の及ぼす影響として
・免疫機能の低下
・タンパク質同化作用の低下による骨形成や筋力低下
・運動中のアドレナリン・ノルアドレナリンの低下が挙げられました。
そして、慢性的なエネルギーによる低代謝状態に陥り、パフォーマンスも低下するそうです。
これを聞き、無月経に陥ることで、こんなに多くのことに影響を与えるとは思いませんでした。
無月経は、原因をきちんと確認する必要があるそうです。
無月経にならないようにする具体的な方法として、原則としてエネルギー不足の改善を行うことが大切になります。
アメリカスポーツ医学会では200〜600kcal摂取が推薦されてます。
これは、およそおにぎり一個分ぐらいです。
最近は、炭水化物の不足が多いそうです。
炭水化物ダイエットなど聞くことが多いですが、炭水化物も大切な栄養素の一つなので、きちんと摂取しておく必要があると感じました。
エネルギー不足の改善の他にも、摂食障害に対するケアを行うことで無月経を防ぐことができるそうです。
摂食障害の場合は、精神科医に受診するのがいいそうですが、精神科医の場合受診することを拒否する方も多いそうです。
精神科医へ受診の話は、男女問わず、まだ壁があるものだと感じました。
また、無月経を改善するにあたって、長期的に付き合う覚悟をしておくのが大事だと、鮫島先生はおっしゃてくださいました。
Low energy available
Low energy availableとは、エネルギー不足のこと
「エネルギー摂取量―運動によるエネルギー消費量」で把握できます。
しかし、これを毎回評価し続けるの困難なものあるそうで、女性アスリートの場合は無月経であるかどうかが指標にすることができるそうです。
いわゆる無月経の場合はエネルギー不足の状態であり、無月経が治った場合はエネルギーが改善したと考えらるのです。
Low energy availableの指標としては他に除脂肪体重量や、BMIなどで評価することができるそうです。
Low energy availableに陥る原因として以下の3つが挙げられました。
・低体重
・急激な体重減少
・トレーニング量の増加
このため、低体重になりやすい、体操選手などの審美系のスポーツは無月経同様Low energy availableになりやすいそうです。
また、Low energy available陥ることで、脳からのホルモン分泌不全が起こり、無月経になるリスクが高くなるそうです。
Red-S
今回の講義で個人的に興味を持ったのが、Red-Sについてです。
Red-Sはスポーツにはおける相対的にエネルギー不足のことです。
今回の無月経、骨粗鬆症、Low energy availableのみでなく、心理、成長発達、消化器系など様々な因子よって変わってくるそうです。
自身の現場でも、どの因子がどのように関係してくるのか調べて見ようと思いました。
質疑応答
質疑応答では、いろんな質問がありました。
1つ質問を取り上げます
『男性トレーナーが女性アスリートに対して、デリケート話をどう伝えていけばいいのか?』
この質問は私自身も、すごく気になる内容でした。
鮫島先生の返答としては、ご家族に対してきちんと説明し、ご家族から選手たちに伝えてもらうという方法でした。
これを参考に、家族にもエネルギー不足や三主徴が与える影響はどういうものなのか、事前にきちんと伝える必要があると思いました。
まとめ
鮫島先生から、最後にまとめとして2点教えていただきました。
・思春期のアスリートでは、スポーツによる心身への影響が障害続くかもしれない。
・目の前の結果を追求した結果、競技人生を短くする可能性や将来の健康を害する可能性があることを選手に理解してもらわなければならない
私も選手やアスリートに対して、目の前の結果を追求することで、どのようなリスクが生じるかを、きちんと説明しなければならないことだと実感しました。
最後に
今回はエネルギー不足と三主徴について学びました。
エネルギー不足が、どれだけパフォーマンスに影響するのか
男性トレーナーから女性アスリートに月経周期の伝え方の一例
など様々なアプローチを知ることができ、とても有意義でした。
また、今回のセミナーを視聴してRedsについて深く学んでみたいと思いました。
鮫島先生貴重なお時間ありがとうございました。
感想は、 #スポリンクReds で検索してみてください
女性のサポートもさせていただいている身として知っておかなければならない分野
久々のセミナー拝聴…
いかんいかん、学び続けます有り難うございました!#スポリンクreds https://t.co/OVoz1oQ7uR
— 井上皓太 (@Kota__Inoue) September 8, 2021
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