【第75回 Spolink & encounterセミナーレポート】スポーツ安全の最前線~現場マストの医学知識~

こんにちは、ブログ班の山城です。

今回のセミナーは
スポーツドクターの二重作拓也(フタエサク タクヤ)先生に
「スポーツ安全の最前線」
というテーマで講義していただきました。

 

スポーツは安全にできるからこそ楽しめると思います。
ケガをしても素早く対処できて大事にならないようになるといいですよね。

しかし、二重作先生いわく「日本はスポーツ安全後進国」とのことでした。
まだまだ安全に対する意識がなっていないのが現状。。。

そんな現状を変えていきたいと活動している二重作先生が
今回スポーツを安全に行えるように現場に関わる時に必要な知識を話していただきました。

講師:二重作拓也先生
・スポーツ安全指導推進機構
・スポーツドクター

ファシリテーター:奥村正樹(SpolinkJAPAN代表)

個人的には二重作先生のダンティな声がとても聞きやすかったです!笑

トップアスリートの体はボロボロである

二重作先生がセミナー冒頭に
サッカーのガブリエル・バティストゥータ選手の話を例にあげ

上手い選手は怪我をしないということは信仰であり
競技スポーツは体を酷使することで
トップ選手の体は言わないだけでみんなボロボロである。

とおっしゃっていました。

さらに、診療をしている中で
小学生アスリートが中学校でピークが
きてしまうような体の消耗をしている子が多く
「なんでここまでやるの?」という気持ちになるそうです。

スポーツ医学がどれだけ発達したとしても
帰っていく場所が体を酷使する指導であれば
また同じことの繰り返しになってしまうので
スポーツ現場のカルチャーを変えていく必要があると感じているそうです。

「子どもは大人のミニチュアではない」
ということを理解して子供に指導をすることが大切だということです。

それを理解しないで、
大人のトレーニングをそのまま子供に
提供していることが多いのが現状だそうです。

体は消耗品であるにもかかわらず
子供の頃から体を酷使している状態
大人と同じようなトレーニングをしているというのは
とても危険なことであることがわかりました。

才能ある子供たちの夢を奪わないように
大人の私たちがしっかりとした知識を身につけていくことが必要だと感じました。

子どもと心臓震盪

子どもと心臓震盪の話は驚きがありました。
まず心臓震盪は衝撃の大きさではなくタイミングで起こるそうです。

タイミングなのでプロテクターでは衝撃を吸収できない、
むしろ衝撃を増幅してしまうこともあるとうことでした。

例では野球やパンチなどでしたが
参加者が質問で「サッカーボールでもなりますか?」とありました。
二重作先生が「タイミングなのでサッカーボールでならないと言えない」とのことでした。

こども兄弟喧嘩でも起こったという事例もあるそうです。
なかなか衝撃的ですよね。

子どもの体に大きな衝撃が加わることをは避けるようにしていきたいですね。

二重作先生のツイートで解説されているのでご覧ください↓

 

〜感想〜

後半はパンチドランカーの話や
体を鍛えることでの腎機能低下の話などをしてくれました。

スポーツが上手くなるために体を壊してしまっては元も子もないですからね。
日本では1年間で中高の運動部では35万件の事故が起こっているそうです。
また、2006〜2016年の10年間の間には152名の方が亡くなったそうです。

その数が減ること、その事故が大きいものにならないようになればいいなと思いました。

 

Twitterに寄せられた感想の一部↓

https://twitter.com/kurenaiken00/status/1491439620915331074?s=20&t=nZK3B0AFIUpehoS_dMCojg

参加者の皆さんからたくさんの意見をもらいました。
今回参加された皆さんが「関わるスポーツ現場から変えていきたい」という
感想が多くみられました。
少しずつスポーツ現場が変わっていくといいですよね。

次回予告


【第76回 Spolink & encounterセミナー】スポーツ内科とスポーツ栄養士~選手を支える栄養介入~

<内容>
スポーツ内科におけるスポーツ栄養士の役割とは?選手の目的達成のためにスポーツ内科医とどのように連携をしているのか、実際の症例を用いてお話します。
・スポーツ内科での管理栄養士の仕事
・医師との連携
・来院選手に多く見られる栄養の課題、介入方法

講師:山本 尚代 先生
・管理栄養士
・ゆうき内科・スポーツ内科

ファシリテーター:奥村正樹(Spolink JAPAN代表)

セミナー申し込みはこちら

 

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