SpolinkJAPANの使い方・スポーツ現場のEAP(緊急時行動計画)〜EAP作成のポイントと実例〜セミナーレポート

SpolinkJAPANの使い方・スポーツ現場のEAP(緊急時行動計画)〜EAP作成のポイントと実例〜セミナーレポート

皆さま、こんにちは。新メンバーの福永です!

新型コロナウイルスの出現により世界中の生活が激変した2020年も、残り10日程になりましたね。

こちらは娘(生後7カ月)のずり這いが高速化し、時にはどこにでも登ろうとする娘を追いかけ回し、時には後追いで、ゾンビのように追いかけ回されています。

ある種の、師走かもしれませんね。

 

31SpolinkJAPANオンラインセミナー

今回は第31SpolinkJAPANオンラインセミナーのレポートです。

テーマは杉本将先生によるSpolinkの使い方 〜医療者登録サイトと活用事例〜」水野慎一朗先生による「スポーツ現場のEAP(緊急時行動計画)〜EAP作成のポイントと実例〜」2本立てでした。

 

Spolinkの使い方 〜医療者登録サイトと活用事例〜』

まずは1つ目のテーマ

Spolinkの使い方 〜医療者登録サイトと活用事例〜』

講師:杉本 将 先生

SpolinkJAPANは、スポーツを愛するすべての人に、より良い医療・競技環境を提供することを目的に運営している医療者検索サイトの構築を発端として、今日までの活動を広めてきました。

現在(2020.12.16)の医療者登録サイトの登録者は400名(目標1000名!)

スポーツ現場での活動や専門の資格等、一定の条件を満たした方のみ登録されています。

この医療者登録サイトを活用して杉本先生が実際に医療連携につながったケースの一例としては、

1 整骨院から整形外科への受診先紹介無事手術術後のリハビリはまた整骨院に戻り、担当医からリハビリ指導も聞きながら行えた競技復帰までサポート

2 患者さんが県外へ引っ越し同業者に紹介(案外他県の同業者の情報ってないので安心したところを紹介しづらいですよね)

など、職種や地域を超えてつながり、競技復帰や健康をサポートすることができたそうです。

また、身体的な相談だけではなく、スポーツ栄養、ドーピングコントロール、メンタルケア、睡眠の専門家もいますので、スポーツに関することでの相談は、まずは医療者登録サイトを覗いてみてください!

トップページ

(エリアごと、職種ごと、スポーツ種目ごと、キーワードでの検索も可能で使い勝手もいいですよ。)

 

スポーツ現場のEAP(緊急時行動計画)

そして2つ目のテーマ

『スポーツ現場のEAP(緊急時行動計画) 〜EAP作成のポイントと実例〜』

講師:水野 慎一朗 先生

EAP(緊急時行動計画)とは、緊急時にメディカル担当としてどのような対応を取らなければならないかという行動指針を示したものです。

当たり前ですが、緊急時というのはいつ起こるかが予測できません。

だからこそ必要なことを確実に実行するための備えとなってくるのがEAP

今回のセミナーは「必要なのは分かるけど、でも実際何を準備していたらいいの?!」という方にはぴったりの内容でした。

まず、スポーツ現場での緊急時例として救急車がどれくらい呼ばれているのかと言うと、

2019年スポーツ現場での救急車出動数はなんと年間4万2千件以上!

一日平均に換算すると115って意外と多いですよね。

また救急車の到着時間も全国平均では年々わずかに伸びてきているそうです。

 

起こることが予測できない中で確実に対応するポイントとして、

1 緊急時の体制づくり(方法共有・役割分担)

2 救急備品と搬送方法(スポーツ種目ごと、施設ごとの準備対応を)

3 シミュレーション(毎年1回は行い実際の現場に即した内容にアップデート)

ということを挙げられていました。

 

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(図は水野先生のスライドよりお借りしました。)

よくある救急処置の講習でも、心停止から救急処置が実施されるまで1分ごとに救命率が低下していき、5分経過すると救命率は50というのは耳にしますよね。

例えば①緊急時の体制づくりとしては

実際、5分以内に胸骨圧迫&AEDによる除細動を実施しようと思うとします。

傷病者発見からAEDが必要だ!と判断するまでに2分程度かかるとしたら

残り3分!

→AEDの取り付けるのに1分かかるとしたら、

往復2分以内に取りに行ける場所にあるのが理想!AEDマップと最短距離を把握!

など、このセミナーを聞いていると、AED設置場所把握を一つとってみても細かい所までイメージするのが本当の計画なんだなと思いました。

そこに、救急備品と搬送方法ポイントとして

・備品はスポーツ種目の特性に合ったものがあるか(例えばアメフトではヘルメットをはずすドライバー必須)

・会場ごとの経路や会場管理者との連携はなされているか

という、チーム状況に合わせた内容を追加していくことになります。

そして大切なのは、EAPは作って終わりではありません

③シミュレーションまで行い、発生状況の想定と常にアップデートをしていくことだそうです。

実際に、やってみるとこれでは脊髄損傷のリスク管理ができないという課題が見つかったり、コロナ禍では人工呼吸よりも胸骨圧迫に重きをおくようになったなど、変化していくものもあります。

発生状況の想定と対処方法常にアップデートをしていくということでした。

少し話は逸れますが、ありとあらゆる災害に対して日頃から実践的な訓練を積んでいる自衛隊は、ダイヤモンド・プリンセス号での船内活動では感染者ゼロ

コロナ患者の受け入れをしている自衛隊中央病院では、院内感染ゼロということがよくニュースで取りざたされていますよね。

 

緊急時にどこまで備えておくか

ここまでやればという終わりがなく、チーム一丸となって取り組まなければならない大仕事です。

その備えで、救える命や後遺症の有無に関わってくる。

非常に考えさせられる内容でした。

以上が、セミナーレポートとなります。

皆さんの現場でのEAPはいかがですか?

まずは、緊急時マニュアルで備えを確認してみてください。

マニュアルのダウンロードはこちらから

以上、セミナーレポートでした。

 

杉本先生、水野先生、マニュアル班の皆さんありがとうございました!

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