SpolinkJAPANコアメンバーのいっきゅー医学生です。
新年早々、大雪で不便な生活を強いられていましたが、今年はより一層勉学に励むのはもちろんのこと、趣味にも時間を掛けられればいいなと思っています!
今回のブログでは、毎回分かりやすい現場対応マニュアルを作成しているSpolinkJAPANマニュアル班が、新しいマニュアルを作成したので紹介していきたいと思います。
このマニュアルは、アナフィラキシーについて概要から具体的な対応まで4部門で構成されています。
以下で概要を説明していきます。
①アナフィラキシーとは?
最初のページでは、そもそもアナフィラキシーとは何か、という説明から始まっています。
さらに、スポーツをするうえで特に重要になってくる食物依存性運動誘発アナフィラキシーの説明が書かれています。
アナフィラキシーが恐ろしいのは、原因となる物質に触れたり体内に取り入れてから数分で症状が現れる場合があることです。
食物依存性運動誘発アナフィラキシーは、中学生約6000人に1人という割合(食物アレルギー診療ガイドライン2016より)だそうですが、長年この世代に関わっていれば出会ってもおかしくないような割合ですね。
小麦が原因として多いということですが、小麦入りの石鹸で発症した事例もあり、遠征先など普段と環境が異なる場合は注意が必要ですね。
さらに、発症時の運動の種類としては球技やランニングが大半を占めていますが、歩行やゴルフなど比較的運動量が少ない場合も発症した事例があり、油断は禁物です。
②対応フローチャート、症状チェックシート
アナフィラキシーを疑うような所見があるとき、体位変換をきっかけに急変する可能性があるため(empty ventricle syndrome)急に座ったり立ち上がる動作をしないことも大事になってきます。(日本アレルギー学会 アナフィラキシーガイドライン)
マニュアルではどういった症状があった時にどのような対応をすべきかまとめられています。
強調されていますが、緊急性のある症状がなにか一つでもある場合や少しでも怪しい項目がある場合は携帯型のアナフィラキシー治療薬であるエピぺン®の注射を行うことが重要です。
しかし、私もですがエピペン®を投与するべきか間違えたらどうしようといった不安もあると思います。
このことに関しては、日本アレルギー学会のアナフィラキシーガイドラインによると、エピペン®による注射で82.2%が改善しているそうです。
そして、アドレナリン自体の副作用や針による外傷などの有害事象は3.7%であり、それらは前例回復しています。
このデータをみると、副作用などを気にするより、迷ったら打つということをしっかりと覚えておきたいですね。
以下は症状の変化や重症度を確認するためのチェックシートです。
他のマニュアルもですが、印刷するなどしていつでも使えるように準備しておけば、急に症状が現れても症状の度合いを判定することができるのでドクターバックなどに入れておきましょう!
④エピペン®の使い方
最後はアナフィラキシーの治療薬であるエピペン®の使い方です。
誰でも使うことができる簡単な手順なので、いざという時に焦らないよう、このマニュアルを用いてしっかり覚えたら安心ですね!
とはいっても、実際に覚えておけるか自信が無い方は、すぐに取り出せるところや携帯して確認できるようにしましょう!
アナフィラキシーを発症したことがある人はエピペン®を携帯すること、そして既往歴を把握しておくこと、そしてエピペン®の使い方を医療関係者だけでなく、監督やコーチ、そして選手自身も知っておけばより一層アナフィラキシーに対する対応は確実なものになりますね。
これらのマニュアルのダウンロードはこちらからどうぞ!
他にも様々なマニュアルが既に作成されています。
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