【第79回Spolinkセミナー】スポーツ現場における救急対応〜救急車が来るまでにできること〜|今安弘樹さん】

こんにちは!
Spolink JAPANブログ班の理学療法士2年目の近凜太郎(理学療法士)です。
新人としての1年間が終わり、できることが増えてきてより責任を持って仕事をしていく必要がある4月となります。

スポーツ現場における救急対応~救急車が来るまでにできること~

今回でついに第79回となりますSpolinkオンラインセミナー

今回のテーマ【第79Spolinkセミナー】スポーツ現場における救急対応~救急車が来るまでにできること~

講師は、救急救命士の今安 弘樹さんです。

ファシリテーターは奥村正樹さんが勤めてくれました。

自分のこの間からラグビーの現場に携わることがあり,この救急対応は絶対に必要なものだと思い、今回すごく楽しみにしていました。

まず、今安さんはスポーツ中の事故について話してくださいました。

全国のスポーツでの救急搬送車数はコロナウイルスの影響があり、
搬送車数は低下しているもものの23,874も搬送されているそうです。
スポーツ別で見るとアメフトやラグビーといったクロスプレーのある種目が多くみられました。
また,アメフトに続いてドッチボールが多く、これはとても意外に感じました。

救急隊とは?

救急隊とは何か、またどんな活動をしているのか説明してくださいました。

救急隊とは
『救急現場に駆けつけて傷病者に対して適切な処置を行い、速やかに救急車で病院へ搬送行う隊』
であるそうです。

また、活動人数は救急標準課程を修了している3~4人で構成されているそうです。

救急救命士の仕事としては
・救急標準課程の行為
・小児科領域処置
・精神科領域処置
・産婦人科領域処置
とあります。

『特定行為』と呼ばれる医師の指示を仰いで実施できる行為もあるそうです。
具体的な例として
・心肺停止患者へのラリンゲアマスク,食道閉鎖式エアウェイ,気管内チューブによる気道確保
・心肺停止患者への静脈路確保,輸液
・血糖測定およびブドウ糖の投与
・アドレナリンの投与
が特定行為に当たるそうです。

救急救命士さんは幅広い分野の知識を有して活動されているのだと感じました。

〜救急隊の活動時間〜
救急隊の現場での活動時間はとても短いものだと感じました。
それも現場での活動時間は約15分ほどで,限られた時間の中で活動する必要があるそうです。
なぜ短い時間で活動するのかというと、救急搬送件数が増加している現在において、
いち早く救急車を傷病者の元へ駆けつけさせるためには一つの事案の活動時間を短くする必要があるからそうです。

〜PA連携〜
今回のセミナーでも救急車を呼んだのに消防車がきたことがあるという人がいました。
それは,PA連携によるものだそうです。

PA連携とはPomp & Ambulance連携(消防隊と救急隊連携)のことで,
救急活動においてマンパワーの不足の解消,救急隊の活動支援を目的に消防隊も同時に出動させることだそうです。

救急車が来るまでにしてほしいこと

ここからはサブタイトルでもある「救急車が来るまでにして欲しいこと」を話してくださいました。

まず,最低限してお欲しい応急処置です。

最低限して欲しいこととしては
1.心肺停止の場合→心肺蘇生
:心肺蘇生ができない人でも119に電話することで指令員が口頭指示で教えてくれるそうです。

2.出血している場合→止血
:止血を行う際の注意点としてはまず自分が感染しないこととなります。そのため,ガーゼやタオルを使って止血することがいいそうです。
た止血するときは圧迫すること大切となります。

3.脊柱損傷を疑う場合→脊柱運動を制限させる
:脊柱運動を制限させるにはバックボードで固定することが望ましいそうです。しかし,もしバックボードが無い場合は頭部を保持しておき
脊柱の運動をきちんと制限しておくのがいいそうです。

その他の救急処置方法としてはSpolinnkでもスポーツ障害の対応マニュアルがありますのでそちらも是非ご覧になってください。


その他のマニュアルはこちらをクリック!

救急処置で持っておくと便利なものを紹介してくれました。
具体的には感染予防のために必要な手袋やゴミ袋,滅菌ガーゼ,三角巾がいいそうです。
また,三角巾は固定・被覆・止血などさまざまな用途に合わせて使える便利道具であるとのことです。
具体的な三角巾の使い方は総務省消防庁に動画があるのでそちらを是非ご覧ください。

その他としては,患者情報聴取や状況聴取,家族へ連絡,交通時間の把握が必要とのことです。
また,救急隊が必要としている情報を紙にまとめているとスムーズに進むそうです。

具体的な情報としては,
・名前(漢字表記・送り仮名)
・生年月日
・住所
・緊急連絡先
・既往歴
・内服薬
・最終食事時間
・正確な受傷起点
・ワクチン接種歴
などが必要とのことです。

最後に今安さんは
『救急は時間との勝負、到着から速やかに救急車を乗せ病院へ向かうように協力してほしい』
とおっしゃっていました。

質疑応答

質疑応答ではいろんな質問がありました。その中でも,気になったものをいくつか紹介したいと思います。

Q1熱中症の場合はどのくらいであれば救急車を呼べばいいのか?
A1意識がもうろうとしている場合,汗がかけなくなった場合,動かすことが難しい場合は救急を呼ぶ

Q2意識消失と大量出血など複数の症状がある場合は何を優先すればいいのか?
A2脈がある場合は大量出血を,無い場合や心配停止が見られる場合は心肺蘇生を優先

SNSでの反応

 

最後に

今回は、救急隊が来るまでに必要なことをことができました。
これを聞き私は、スポーツだけでなく日常生活においても必要なことだなと感じました。
また、実際にラグビーの現場に関わっている身としてはクロスプレーが多いため、
救急事態が起きたいさいの準備を今回のセミナーを参考に取り組んでいこうと感じました。

 

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