【第68回 Spolink & encounterセミナーレポート】スポーツ内科外来の実際 ~現場でのスポーツ栄養士との連携(具体的な症例を交えて)~

こんにちは。ブログ班の福永美夢です。

68回のスポリンクセミナーは「スポーツ内科外来の実際」

専門職の原先生からしか聞くことのできない、スポーツ内科の実際とその役割が印象的でした。

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【日時】20211027日水曜日 21:0022:30

【テーマ】スポーツ内科外来の実際

~現場でのスポーツ栄養士との連携(具体的な症例を交えて)

【講師】原 知之先生

・大阪大学医学部附属病院 内分泌・代謝内科学

・大久保病院 スポーツ内科

・医師

・日本内科学会認定内科医

【ファシリテーター】奥村 正樹 先生

Spolink JAPAN代表

・日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー / 鍼灸師

 

スポーツ内科の診療

原先生のいらっしゃる大久保病院スポーツ内科では、ジュニアアスリートの割合が多く、成長期のトラブルが多いそうです。

スポーツ貧血ひとつを例にとっても、原因によって専門分野や対策が多岐にわたります。

循環器、婦人科、消化器、精神科、呼吸器・アレルギー、血液、内分泌・代謝など、

多岐にわたるからこそ、スポーツ内科の診療には、連携が何より重要とのことでした。

スポーツ内科の抱える問題

スポーツ内科の抱える問題として

・スポーツ内科疾患は症状がゆるやかで慢性的な経過を辿るものが多い。

・スポーツ選手の高い心肺機能、運動能力に隠れて症状が目立ちにくい。

 

小さな変化を見逃さないことや、いろんな状況の想像力を持つことを心掛けていらっしゃるそうです。

そして、実際の症例を伺う中で、私が一番考えさせられる内容となったのが、陸上女子アスリート(高校1年生)の事例でした。

◎練習後の立ちくらみ、易疲労感を訴えて受診 

検査の結果、鉄欠乏性貧血が判明し、鉄剤の服用で改善傾向へ。

パフォーマンスは著名に改善。

記録も伸びて2年生では副キャプテンにも任命される。

しかし、次第にパフォーマンスが低下してきたという相談。

検査の結果貧血の数値がやや低い(だがこれが原因と言う程悪くはない=貧血が原因ではなさそう)。

栄養面の数値が悪い。

 

ここで、原先生の重要と言われていた連携プレーです。

栄養士とのカウンセリングを行い、その結果

この選手が今度は摂食障害に陥っている可能性が出てきたそうです。

抱えている周囲のプレッシャー・副キャプテンの責任感・今後の進路への不安

それに加え、指導者の体重を減らすようにというアドバイス

それらが、食事に罪悪感を感じ、夕食を抜いたり糖質を制限するようになっていたことが分かったそうです。

指導者の言葉の影響力(特に科学的根拠のない古典的な言い方)や、中高大それぞれでの期間にかける想い、責任、パフォーマンスが上がったからこそ増えたプレッシャー、今後の進路の問題を全て抱えてもがき苦しんでいたと思うと、胸が締め付けられる思いでした。

最終的に、継続的なサポートのおかげで時間と共に症状が軽快に向かったようです(更に今後の将来においてもスポーツ心理学を専攻し勉強予定とのこと)。

 

ただ検査の結果だけを伝えて、異常があるなしで終わらせる関係性ではなく

その結果に至るにはどのような生活や精神面の変化が隠れていそうか?

どうしたら改善できるかというところまで寄り添っていらっしゃる現場を聞くと

これが本当の意味での「サポート」なのだなぁと感じました。

他にも多いスポーツ内科疾患

また、スポーツ貧血の他にも多いスポーツ内科疾患をご紹介いただきました。

・運動誘発性喘息

・女性アスリートの健康問題

・オーバートレーニング症候群

 

スポーツをすることで生じる様々な問題に対して、原先生のお考えは

「そのアスリート自身の考え方や感じていることへの傾聴と、アスリートである前に、これから将来の選択肢を考える1人の人としてしっかりと話す時間を設けることは当たり前かつ重要である。」

まさしくその通りで、スポーツに青春をささげる程熱い思いを持っている選手であればある程、周りからもスポーツとの適切な距離感を保てるサポートが必要だと感じました。

 貴重な機会ありがとうございました。

参加されたみなさんの感想 #スポリンク内科

https://twitter.com/ybq2ktmfro8rnf1/status/1453375883872333828?s=21

 

満足度が高い内容だったことが、わかりますね

スポリンクでもアーカイブ見れますので気になる方はぜひに

 

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